2014年9月27日土曜日

大人になっても親に意見は親不孝者?!台湾家庭内事情

何歳から「大人」なのであろうか?
何歳から親と対等にものを言い合えるのであろうか?


現代社会.台湾には、今、家庭内に混沌を抱えています――


台湾には一つ、「孝順」という概念があります。
これは、日本で言うところの「親孝行」です。
しかし、よく観てください。
台湾では親孝行に「順從」(:従順)がつきます。
これが意味するところとは――

  子どもは親の言う事に従わなければならない


なるほど。小学生の頃くらいまでは、我々も言われた事があるかもしれませんね。
「親の言う事はちゃんとききなさい!」
思春期を迎え、親の言っている事が正しいとは限らない事に気付き、反抗期を迎える。
一人の人間として考えを持つようになり、親とも幾度か意見の食い違いを経てきました。
そのうち、大人になり、親と対等に意見を言い合うようになりました。
親子お互いに尊重し合うからこそ、互いに自然と助け合い、、云々

この流れは、現代日本文化であり、台湾文化には無いのです。残念ながら。



台湾では、18歳で成人になろうと、大学を卒業しようと、社会人になろうとも、、
    何歳になっても子どもは子ども
        その親には「孝順」でなければならないのです。


親に意見をするということが、「不孝順(:親不孝者)」として非難を浴びます。
そのため、親子間での「コミュニケーション」は皆無
親からの一方的な意見を、ただ子ども(成人を含む)は聴く事を求められる。
口を開けば、すぐに飛ぶのは「不孝順」という言葉。


台湾の家庭内では、子ども(成人を含む)の人権が虐げられています。


現代化に伴い、台湾人の子どもたち(成人を含む)は
「自分も人間だ、尊重して欲しい」という願望を持ちます。
しかし、その意見もまた「不孝順」として、親の耳には届きません。


実に、台湾の家庭内事情は混沌です。


自立したい、独立したい、という私の先輩や友人は、親から勘当を受けました。


親の耳に届いて、親子間コミュミケーションがあるのは、次の世代に期待するしかないのでしょうか?
今の若い世代はまだ辛酸を嘗めることしかできないのでしょうか?



今、台湾の若者たちは足掻いています。


*      *      *
「あいこの台湾留学日記・」で関連した内容を語っている動画は以下の通りとなっております:
   [#27_1]"台湾人との結婚について語る"
*      *      *

この現状を、私は修士論文を介して台湾社会に提示しようと思ってます。書籍化まで行けば良いのですが、、なんとかして台湾の若者たちを救いたい、そんなことを思う今日この頃でした


2014年9月20日土曜日

台湾と日本の医療倫理の違い

今回は「あいこの台湾留学日記。」番組内でまだ紹介していない台湾情報をお話し致します――


台湾に来て、3年半。
風邪も引きましたし、腎盂炎にもなりましたし、胃・食道潰瘍にも、胃腸炎にも、逆流生胃腸炎にも、虫歯にもなりました(病気に成り過ぎw

 台湾に長く居る場合は、居留証を申請出来ると同時に、国民健康保険も申請出来ます。おかげで、台湾人と同じ、安い医療費で病院にかかれるというのはすごくありがたいことです。
総合病院に行かなければ、だいたい100〜200元(:約500円)で受診させてもらえます。

国保カードがあれば、格安で受診出来るわけですが、
だからといって、ちょっとしたことで病院にかかるのは、ちょっと待った!です。


台湾と日本の医療倫理は大きく異なります。

 世界的に観たら、日本の医療が特殊と行った方が正しいのかもしれません。

まずは、日本の場合――
西洋医学と中国医学(今で言う漢方:以下漢方※)が長い歴史の中で混ざり合い、
日本のお医者さんは西洋医学と漢方のそれぞれ良いところをチョイスして、適材適所で治療に使います。
一般の病院で、鎮痛剤にロキソニン、熱冷ましに葛根湯という風に処方されたりします。

つぎに、台湾の場合――
以上説明しました西洋医学と中国医学というものが全く別物として存在して居ます。
総合病院等は基本的に西洋医学(:西醫)を、それとは別に中国医学診療所(:中醫)というものもあります。


  西洋医学と中国医学が別で、何が問題なのか?

西洋医学の医療倫理は、簡単に言えば、毒を毒で制すというところでしょうか。
西洋医学で出されるお薬というものは、お薬そのもの自体も毒から作られているのがほとんどです。そうすると、健康な組織もダメージを受けたりと、そういったリスクを含んでしまいます。
中国医学の医療倫理は、簡単に言えば、身体の熱をコントロールして免疫を高めるというところでしょうか。
病気そのものを治すわけではありません。そうすると、どうしても即効性というものが無く、最終的には自分の身体に頼る他ないのです。

西洋医学と中国医学では、それぞれ一長一短あります。どちらが優れているというわけではありません。


 以上を踏まえ、台湾では、西洋医学と中国医学が全く別であり、それぞれに勤めるお医者さんたちもお互いの領域を学んではいません



そして、中国医学に慣れない私は、よく西洋医学の病院にかかるわけですが、
彼らの出してくれる薬というものは、
日本のお医者さんたちが出してくれるよりも種類も多くくれます。
おかげで、病気そのものは良くなるのですが、他の部分がダメージを強く受けて、結構身体がしんどくなる、ということもよくありました。
それを恐れて、中国医学の診療所にいったわけですが、
もちろん中国医学ですので、病気そのものは中々良くならないわけです。
経験談として、台湾でうまいこと病院にかかるのは中々難しいというのが、素直な感想です。




※「漢方」とは、中国医学が日本に輸入され独自に発展した分野です。


2014年9月13日土曜日

親日国家台湾という”虚像”

台湾は親日!台湾人は日本人に優しい!
よく聞く言葉です。

しかし、これらイメージには語弊があります。

台湾人の「」は親日、の方がより現実を捉えています。
残りの半分は悲しいかな反日親中もしくは無関心です。


台湾には日本のものが溢れ返っているし、
日本人というだけで色々と優しくしてくれる!
なのにナゼ?
と、思う方もいらっしゃるかと思います。


もちろん親日な面もあります。
その理由は、台湾の豊かさをもたらしてくれるのは日本統治時代からずっと日本だからです。上下水道・鉄道・ラジオ・農業・観光業・工業化といった近代化の技術やノウハウをもたらし、戦後現在中華民国になっても生活の豊かさは昔も今もいつも日本が提供してくれています。
ですから、台湾人は基本的に日本という「ブランド」を「好き」だと思っていてくれています。
また、日本統治時代に生まれ育った台湾人(元日本人)は、そもそも日本人としてのアイデンティティをもっていたりします(※1)

その反面、
中華民国(国民党)反日教育によって、「日本統治時代は”最悪”だった」「台湾を”侵略”した日本人は悪(:”日據時代”)」「南京大虐殺をやったくせに”勉強もしてない”なんて最低」「尖閣諸島はもちろん”台湾のもの”だ(※2)」誤って認識している人々も大勢います(悔しかったので、負けじと日本の中学歴史の教科書をわざわざ見せてあげた事もありました。
以上の反日の方たちの言っている事は、歴史的にも法的にも虚言であることはググればすぐわかります。ggrksと言ってやりたいです。いや、むしろ言ってますww

私も今年春にお会いしました李登輝元総統が中華民国(国民党)から民主化を始めた1987年から、2008年馬英九現総統が政権を奪回するまでの
わずか20年の間に教育を受けた台湾人は、
まさに親日だと言えるでしょう。

しかし、2008年以降、また誤った歴史観を教育や資料館に反映させています(※3)

結果として、
元日本人のお年寄りと、わずか20年の間に教育を受けた台湾人が親日であるだけで、
残りは残念ながら無関心もしくは反日なのも否めない事実です。


数字で観るならば、
2012年に国民投票で行う大統領選挙で過半数の得票を得て、反日親中の国民党が勝利を得て、馬英九現総統が続投を果たしています。(※4)
また、新台灣國策智庫最新民調(2014)によると、「あなたの好きな外国はどこですか?」という質問に「日本」と答える人が一番多かったそうです。
その数値は、48.2%です。
半分」です、はい。

最後に一つ!
いくら半分は親日ではないといっても、
日本は「ブランド」です。
日本人には基本的に皆やさしいです、ご安心ください


「あいこの台湾留学日記・」で関連した内容を語っている動画は以下の通りとなっております:
  ○ 台湾現地から中継 [#18] 総統府附近と228公園
  ○ 台湾現地から中継 [#20_2] はじめての世新大学
  ○ A's GDGD Radio [#3] 日本人が「無駄に」モテる?!


(※1)ex. 日本語を母語とする台湾人が「友愛グループ」として活動しています。http://www.ritouki.jp/news/distribution/youai.html
(※2)尖閣諸島(釣魚台)には「290」という郵便番号が振り分けられています。台湾で売られている封筒の裏の郵便番号リストにはもちろん記載されています。(以下URLでダウンロード出来るデータの4.1-4.6参照:http://www.post.gov.tw/post/internet/Download/all_list.jsp?ID=2201#dl_txt_s_A0206
(※3)ex. 二二八記念館
(※4)金美齢『私は、なぜ日本人になったのか』(2010)の中で、その理由の一つに2008年で国民党が国民投票で政権をとったことをあげています。2012年に続投になったときに、美齢さんはどう思ったのでしょうか。

2014年9月10日水曜日

金持ちしか留学出来ないなんて嘘

海外留学、それはお金持ちができること、そういうイメージは持っていませんか?


私自身、お金持ちの家庭出身かといえば、答えは「NO」です。
むしろ貧困家庭に分類されます。
小さい頃に父を亡くし、母親は持病のためにパート職しかできない。高校・大学・大学院すべて奨学金を借りて、もしくは企業から奨学金をいただいて学校に通っていました。


台湾への留学は、「臺灣獎學金」という中華民国の文科省にあたる教育部が外人向けに用意している奨学金です。
これは、語学留学・正規留学の2種類あります。
私はこの正規留学用の「臺灣獎學金」を利用して留学しています。
学費ももちろんの事、毎月2万元(台湾の大卒初任給と同じ額)の生活費をいただけます。節約すれば、手元に毎月5千元は必ず残ります(それを卒業延期分に当ててもよし、卒業後に利用するもよし)
ただし、学部生は4年まで、院生は2年までと期限があります。

私は2年半で卒業予定なので、残りの半年分はどうすべきかというところに直面しますが、その問題も難無く解決出来ます。

各学校にも奨学金制度があるため、私は台湾大学独自の奨学金を利用しています。台湾大学独自の奨学金もまた、毎月2万元の支給があります。ですので、そういった奨学金制度を最大限利用しましょう。


もちろん、奨学金を得るためには色々条件があります。
しかし、その条件をクリアすれば夢にまでみた海外留学が実現出来るのです。



ぜひ、お金が無いという理由だけで海外留学を諦めるなんてことはしないでください。海外に出れば、日本国内では決して知り得る事ができなかったことを経験出来ます。それは今後の人生に大きく役立つ事でしょう。


「あいこの台湾留学日記。」で奨学金について語っている関連動画は以下の通りになっております:



※「臺灣獎學金」の申請先:「台北駐日経済文化代表処」