2014年12月28日日曜日

地域格差の深刻な台湾:教育制度問題

経済的格差
文化的格差
など、
あらゆる格差がこの九州くらいの小さい島国には存在します。
今日は、それら格差の氷山の一角をご紹介いたします。


まず前提として、その格差は、台北とそれ以外、直轄市とそれ以外に大きく分かれます。
そして、基本的な前提イメージとして、中華民国(国民党)の法的な影響力は、台北市から離れるにつれて薄まる、ということです。

台北は都市だから、日本の東京のように特化が進んでいるだけだ、と思う方も多いと思います。もちろん、そういった面も大きいですが、台湾は九州ほどの大きさしかなく、地理的・物理的にも地域格差は出にくいハズなんです。


なにが根幹的な問題なのか——


これは以前にも触れたと思いますが、
教員分配方法がそもそも日本と大きく異なります。


日本の場合、とくに義務教育下では、「公教育」というものを重要視します。つまり、日本国憲法にあるように「すべて国民は、法律の定めるところにより、 その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する 」のであり、教育機会と質はすべての国民に等しく与えられるべきである、というのが日本の学校教育の基本です。
そして、教員をめざす人は各都道府県教育委員会の開催する「教員採用試験」を受け、合格した者は各教育委員会によって各校へ配属されます。そして、一般公務員と同じく、約3年に1度他校へ異動する制度になっているのです。

中華民国(台湾)の場合、全国一律に「教師資格檢定」を受け、合格者のうち1位から順に配属希望校を選べるのです。異動も滅多にありません。

すると、どうでしょう。山奥や離島、不良の多い学校に配属したい、と思う人はどれくらいいるのでしょう?大概の人間は、都市部や不良の少ない学校に勤めたい、というのが真理ではないでしょうか。
そして、自然とこういう図が出来上がるのです:優秀な教師は都市部へ、優秀ではない教師は田舎へ

都市では優良な教育を受ける機会があり、田舎ではそうではない

   ↓
以下各差異を再生産(reproduction)・強化


経済格差
(受けた教育の質によって、将来就く職業や収入が異なる)

文化格差
(受けた教育の質によって、価値観が保守か現代化するか大きく異なる
:一般的に、教育年数が多いほど、価値観が現代化するとされる)

地域格差
(上記格差がそのまま地域の発展の程度に反映)

民族格差
(都市部には漢民族が多く住み、山間部には原住民が多く住む
→民族間での教養や上記経済的格差が広がる)
など


この制度が変われば、台湾社会もいくらか平等になるかと思います。


以上、あいこが考える台湾の諸々格差の根幹的な問題点でした。


2014年12月21日日曜日

シルバーシート、譲り合いの精神

日本人が台湾人から学ばないといけないなぁ、と思うところがあります。

それは、譲り合いの精神です。


日本では、
シルバーシートにシルバーでない方が座っていることもあれば、
目の前にシルバーな方がいらしても譲らないことは、もはや日常茶飯事です。

それにはいくつか理由があります。主な理由としては、
・単に譲り合いの精神が廃れた結果
・シルバーな方が、シルバーであるということを自覚したくないことを尊重している、という文化の現代化的背景
・仕事や学校での疲労が公共交通機関の席に座る時にしか癒すことができない、という社会的背景
などが挙げられることでしょう。



日本よりも社会的に「完璧」を求められない台湾では、上記原因の3番目は確実に存在せず、「古き良き日本」にあったハズの譲り合いの精神が色濃く存在します。

台湾のシルバーシート「博愛座

祖母祖父の時代の光景がそこにはあります。

・老人、けが人、妊婦、”子ども”が座る
・必要な人がいなければ、常に空席
・譲られるべき人が乗車したら、周りが率先して譲る
・譲らずに座っていると、周りの乗客もしくは譲られるべき人が譲るように叱る
・シルバーシートが埋まっている場合は、他の席の人も同様の行動をする


これら行動を日常的に観ていると、
日本もそんな心優しい社会になればな、と思います。

ただ、子どもは立って足腰強くしようよ!って突っ込みたくなりますが、
祖母曰く、昔の日本でも「子どもは宝」という価値観から同じ光景が日常だったそうです。


もちろん、冒頭に挙げたように、日本で譲り合いの行動が減ったのには様々な理由があり、「台湾人に見習え!」と言っても全くもって暖簾に腕押しなのです。

2014年12月13日土曜日

浅い〜話:台湾中国語と台湾華語

台湾で使われている中国語について、
台湾華語という言い方があります。

しかし、
私は 個人的に「こだわり」がありまして、
台湾中国語と言っています。


なぜか、

「華」
は何を意味するか、というところにそのこだわりポイントはあります。





それは
民国の「華」
人(漢民族)の「華」
を指しています。

そして、
その「華」は
世界の”中”心の”華”を表しています

まさしくその思想は、
中華民国の思想軸である三民主義うち一つは民族主義=漢民族万歳とも重なります。


私個人は
中華民国は世界の中心でも華でも無いと思っていますし、
華人(漢民族)がエラいわけでもないと思っています(誰がエラいとかそういうのは好かないのです)
そもそも中国語を使っているのは、華人ばかりじゃないのですしおすし......
中国語は中華民国以前から存在しているのですしおすし......

したがって、
私個人は
台湾語という言い方や
僑という言い方は、好かないのです。
そして、
当チャンネルでは、台湾中国語という言い方を採用しております。



もちろん、
以上の意見は、私個人の好き好みの意見であり、同意等を強要するものではありません。





2014年12月6日土曜日

台湾の恥:中華民国人

昨日ショッキングなニュースがありました。
動画(つべ):「20141205中天新聞 講日語「可恥」? 部落客日文聊天挨罵」
ニュース記事:「『台湾で日本語を話すな!』日本嫌いの女性の動画が話題に

このニュースを聞いて、とても悲しい気持ちになりました。

大好きな人(台湾人)に嫌われるというのは、とても切ないものです。


私自身、台湾に来てからすべて良い思い出・経験ばかりではありません。
もちろん、外国人として、日本人として、差別されたり卑下されたりすることもありました。

そういった差別的発言や行動をする台湾人には、一定の傾向があります。

――その傾向とはなにか?――


(1)田舎者で教養がない
 :台湾は全国統一教員採用試験で1位から順に採用者が学校を選択出来ることから、都市と田舎では教養の落差がはげしい。
(2)1987年以前の教育を受けた40歳以上70歳未満
 :教養が無い+国民党の厳戒令下での中華民国および漢族中心主義(“三民主義”の一つは民族主義)、反日の教育を受けている。
(3)外省人など中国人(中華民国人)のアイデンティティをもっている
 :日中戦争時の日本の対戦国のため、敵対意識をもっている(当時、台湾人は日本人として中華民国と戦っている)※台湾人の複雑なアイデンティティに関しては、過去のブログで扱いました。
(4)国民党支持者
 :アイデンティティが中国人(中華民国人)であり、(3)と同じ。もしくは、台湾が中華人民共和国になろうが問題ないと思ってる人々。

など



――記事のオバさんのような台湾人が生まれる原因――

国民党の主張は、日本は台湾を”占領した”(日據時代)というもの。実際は、日清戦争で日本が清国から条約により正式に割譲されたのであり、占領はしておらず、今の沖縄のように”統治していた”(日治時代)。もちろん、清国から割譲されたなどと知らされていない台湾本土にいる原住民との武力戦闘はあったが、それも早期に落ち着き、50年間秩序を持って統治していた。その当時の多くの資料は国民党によって焼かれたり破壊されたりしている。

日本人は「南京大虐殺」について学んでいない、という台湾人の中での 誤認。おそらく、国民党によって故意的に流布された嘘であろう。我々は、もちろん「南京大虐殺」を中学・高校で勉強しているし、中華人民共和国がその被害者数が30万人と提示していることも知っている。実際に、南京大虐殺の有無について、ここで問うことを避けるが、とりあえず、台湾人の多くはこのように誤解している。そして、南京大虐殺を起こした?とされる当時の日本人の中には今の台湾人や韓国人も含まれているのにも関わらず、あくまで日本がすべて悪いことをし、その事実までも隠す卑怯な奴ら、と認識しているのです。

など



日本大好きで私にも優しい台湾人の知り合いが、「我們中國人......(我々中国人は)」とか、「你們日本那麼小......(キミら日本はあんなに小さくて)」とか、「日據時代......(日本占領時代には)」とか仰る度に、私個人的にはすごく悲しい気持ちになります。

そして、
台湾に実際に来たことのある日本人が「結局は台湾人も中国人と一緒(台灣人跟大陸人終究是個一樣的)」と仰る度に、私個人的には「いや、全然違う!(不!完全不對!)」と断言出来ない自分が情けなく切ないです。


台湾人が台湾人になれることを切に願います。